ビジネス環境が目まぐるしく変化するいま、ビジネスマッチングで新しい取引先や販売先を探している企業は多い。
そのため金融機関が、取引先企業への支援の一環としてビジネスマッチングをサービスとして掲げている例も珍しくない。
そんななかで、山田支店はどのような展開を見せているのか。

山田支店
支店長 栗山 直行

企業の「お困り」に動く

山田支店ができるお客様へのご支援とは? 支店長の栗山は「困りごとの解決」を挙げる。「融資などお金のお悩み以前に、経営上の課題や、人材で困っていらっしゃることが多いです」
たとえばあるとき、山田支店ではあるお客様が仕入値の上昇や仕入れ先の分散に不安を抱いているという情報をつかんだ。こんなとき頼りになるのが、愛知信用金庫・全支店間で情報が共有されるグループウェアだ。「ここに情報を掲載したところ、別の支店の渉外担当者が見て、マッチングの可能性がある企業を選定。双方の担当者が連携して2つの企業の商談をサポートし、取引成立となりました」

1支店、1担当者では完結できないことも

また別の例では、支援先企業の代表者が、新たに電気工事会社を設立。代表者の人脈もあり工事受注は順調だが、人員と協力会社の確保に苦慮しているとの相談を受けた。「先ほどのグループウェアを当たったところ、いくつか可能性のある情報を見つけました。早速、その支店の担当者に連絡を取り、マッチングを試みましたが、いろいろな条件が合わず成立はしませんでした」
栗山は、すぐさま更なる動きを取った。「まだグループウェアに掲載されていない企業とのマッチングを狙い、すべての支店長に直接、メールで協力を依頼しました。するとその日のうちに複数の支店長から連絡が。詳しい情報のやり取りをして、翌日には4社とのマッチングの機会を、お客様に提示することができたのです。その中から1社との成約につながりました」

きめ細かな情報共有とスピードを重視

こうしたビジネスマッチングの成功例が生まれる背景にはなにがあるのか。栗山は「渉外担当者には、支援先企業の抱えるお困りごとについて必ず報告させるようにしています。こうした情報共有は日課となっています」と語る。そしてグループウェアという仕組みを使うこともさることながら、最も武器となることはシンプル。「対応のスピード、初動が大切だと考えています」製造業の集積するこのエリアは、ほかの金融機関もみっちりと競合する。他行に先んじてお客様との関係を作ることを意識している。
また山田支店は古くから営業し「あいしんさん」と親しまれてきた。その信頼感も、スムーズなビジネスマッチングにつながっている。

全国信用金庫協会
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