日本の企業の99.7%を占める中小企業と小規模事業者。
そこには多様な課題を抱えながら、会社という「船」の舵を取る経営者がいる。
本店営業部は「お金を貸すことだけが信用金庫の仕事ではない」と言い切り、
関係部門・外部パートナーとの連携を強めながら、経営者に寄り添った支援をおこなっている。

本店営業部
部長 鈴木勝也
本店営業部
部長代理 伊藤直記

営業区域外の工場を視察

本店営業部部長の鈴木は、ある支援先企業の工場にいた。同行するのは、この支援先の渉外担当である伊藤に加え、審査部の担当者、そして当庫が連携する経営コンサルタントと社労士というメンバーだ。目的は、支援先企業の経営改善のための視察と聞き取り。
「栄エリアに本社のある支援先です。経営上の課題を抱え、その実情を探るにあたり、本社で経営者に話を聞いてもわからなかった。本店のエリア外ではありましたが、市外に大きな工場があり、それなら現場を見て、工場長はじめ働いている人に話を聞いてみようとなりました」行ってみると、現場の人たちからこれまで経営者にもわからなかったことが語られた。この現地訪問は四半期※ごとにおこない、問題を明らかにすることで、3期連続の黒字という成果に結びついた。

※企業会計で、年度を4分割した期間、つまり3か月のこと

“チームワーク”を円滑に進める

こうした支援は、本店営業部と本部(審査部企業支援室)が一体となって推進する。本部が分析した支援先の情報を受け、どんな働きかけをしていこうかと考える。そこには事業計画や会計、労務といった各分野の専門家らに入ってもらうこともある。そして肝心な支援先企業に対しては、日ごろから接触をもっている渉外担当が対応する。工場を訪れてスムーズに意見交換ができるのも、あらかじめ営業部の渉外担当がしっかりと経営者に意義を説明し、支援先社内の体制が整ってからはじめているからだ。
「経営の改善とは経営者の考え方、やり方を変えていくことでもあり、外部の専門家から提示される改善案に疑問を感じられる経営者もみえます。その間に入って、バランスを取りながら進めていくのもわれわれの役割です」と鈴木は語る。

経営者との関係づくりも渉外の仕事

渉外担当に求められる資質は多様だ。初めて取引がはじまる事業者と、長くお付き合いのある事業者では関係のつくり方も異なるが、入庫13年目の伊藤は自信をのぞかせる。「どちらも苦手ではないと思います。以前からのお客様には、担当が自分に変わったときますます信頼していただけるようにしたいです」
業態、規模、業歴などが違えば、支援先の課題はひとつとして同じではない。そのたびに何をすべきかを考え、経営者にアドバイスすることもある。大変でもあるが、それが渉外担当の成長になっている。

全国信用金庫協会
「信用金庫で働く若手職員インタビュー」動画